若葉の繁る頃に

しがないアイドルオタクの備忘録とチラシの裏書き。「なんとかなる」人生を送るのが目標です。

#15 "良い"妬みと"悪い"妬み


f:id:csppp:20211130175315j:image

 

あっという間に師走の季節。

結局今年も推しメンとのミーグリで終始メロメロになったり、好きなバンドの新曲を聴いて癒されたり、女子流のライブを観に行ったりと昨年と変わらない日々を過ごした。そこに贔屓球団であるスワローズが日本一になった事もあって久々に野球観戦も楽しむ事ができ、娯楽はコロナ禍の割には楽しめたと思う。

ただ初めて同い年の友人の結婚式に誘われて焦りを覚えた事や、無券でTIFに行ってオタクとステップしてたら捻挫になったりとまぁまぁ人生について考えさせる出来事もあった。元々嗜む程度だった酒も量が次第に増えてきた事、体重が一気に増えてきた事も無視出来ない。先日久々友人達と温泉に行くと早速腹回りを指摘される。1年前に行った健康診断では57kg台であった体重は既に63kg。身長は170cmなので数字だけで見ると平均的体重なのだが、突如増えた経緯やだらしの無い太り方であると考えると少し凹む部分もある。そんな事を考えながら通勤していると突然12月の北風が襲い掛かり全身に鳥肌が立つ。身についた脂肪は冬の寒さに全くと言っていいほど役に立たなかった。

 

「ってか」のミーグリ期間が終わった。

紗理菜ちゃんとの会話は常に楽しい。年頃の女性に対しては臆病になりがちな自分でも、彼女と話せばそんな馬鹿げたコンプレックスは何処かへ消えてしまう。少し覚束ない会話もあり電波のせいでスムーズに話せなかった事もあるが、この状況下でメンバーと話せる事自体に感謝しなくてはならない。最終日でも紗理菜ちゃんと「早く直接会って話したいよね」と話すと彼女は大きく頷き、同時に少し寂しそうな顔をしていた。お互いに一瞬センチメンタルな気分となったが、最後は笑顔で一緒に手を振った。

大袈裟に思われるかもしれないが、自分は紗理菜ちゃんという推しメンのおかげでこれまで幼稚だったマインドが少し成長したと実感している。友人との関わりを昔より大切に出来たとも思うし、前までは周囲の誰かしらが恋愛していると嫌悪感を覚えていた事もあって友人の結婚式に参加して素直に祝福出来た事が大きかった。まぁ今でも妬みから好きな女優の結婚相手には多少イラッとはするが。

妬みと言えば、彼女には人間なら誰しも持つ"悪い"妬みを持っていない。妬みとは人が誰しもが抱える自然の感情であり、その中でも"良い"妬みと"悪い"妬みの2つが存在する。"良い"妬みは他人にあって自分に無い知識や実力を羨む事で自らを磨く発奮剤となる。一方で"悪い"妬みは羨望を抱くも自身は何の努力もせずにただないものねだりだけで終わってしまう。潮さんは間違いなく前者のタイプで、彼女自身メンタルが強い性格とは言えないと思うが、決して他人を卑下する発言はしない。これは清廉潔白さが求められるアイドルであるからそりゃそうだろうともなるが、メッセージでの彼女が考える対人や仕事との向き合い方、家族や友人と接した時の言動を見ると、そこに嫉妬などは生まれない為純粋に目の前の仕事や人との会話が楽しくて仕方無いんだなと思える。今年MLBで打っては46本塁打を放ち、投げては先発として9勝を挙げ日本だけでなく世界をも盛り上げた大谷翔平も同じで、根っこは純粋な野球少年であり、決して奢らずに真摯に野球に向き合ってきた。その謙虚な姿勢が称賛され今では野球ファンのみならず世界から愛されるスーパースターとして出世したのは言うまでもない。

彼女はひなあいで言っていた様なメンタルカウンセラーではない。潮紗理菜さんは純真な女性なのだ。その理由に他人を認めた上で自らの向上心の源とする"良い"妬みを作り上げてきたからだと思う。これは推しメンであるからこそ言える戯言に聞こえるかもしれないが、正直周囲の反応などどうでもいい。自分が心の底からそう思えるのだから。滑稽な人間と思われてもいい。オタクである事自体が既に滑稽なのだから。

以前彼女がYOASOBIのラジオでお便りを読まれた時はまるで自分の事のように喜んだ。彼女はその前も何回かお便りを送っており、気付かれないようにラジオネームをありふれた名前にしていたのだが、自身の殻を破ってラジオネームを"サリマカシー"とし、自分のありのままのメッセージを伝えていた姿に涙すら浮かんだ。しかしヤフーニュースにはそんな彼女に心無い誹謗中傷の数々…。「友達になってください」の下りが馴れ馴れしいという理由らしい(これは前回のラジオでYOASOBIの2人にそういう掛け合いがあり、彼女がそれを引用しただけの話)。まぁヤフコメなぞチラシの裏書き以下の輩の集まりなので気にしていない部分もあるが、当時は中傷コメを書き込んだ一人一人を執拗に殴り飛ばしたいほどの嫌悪感が募った。しかし経緯が分かれば特に問題の無い表現であった上に、配信元の記事の書き方も良くなかった所もあるのでヤフコメ以外での批判は特に無かった。とは言え少し穴が空いたような感覚にこそなったが、週末のミーグリでそんなモヤモヤは一気に解消された。推しメンが笑顔であれば嫌な事など全て忘れられるような生き物。それがアイドルオタクである。今考えると、そんな彼女が高校生活の最後に突如アイドルになろうと決心した事は紛れもない奇跡であると毎回考えてしまう。

 

少し話は逸れたが、何が言いたいのかというとここまで心が綺麗な女性を見た事が無いという事。潮紗理菜さんが洗練されたピカピカのダイヤモンドであれば、自分は道端に落ちた小さな石ころ。この先自分が好きだったアイドルや同級生の結婚報告があるかもしれない。今はまだ難しいかもしれないが、他人の門出を大いに祝えるほどに心に余裕を持ちたいと思う。

そんな事を考えていたら既に会社の目の前。溜息を付きながらも上を向いた。