若葉の繁る頃に

しがないアイドルオタクの備忘録とチラシの裏書き。「なんとかなる」人生を送るのが目標です。

#19 一人暮らしを始めて心が吹っ切れた話

ようやく一人暮らしをする事となった。

 

ある程度部屋に貯金を切り崩して購入した家具家電や生活必需品が揃い、毎日家事の勉強をする日々。今月27歳になる分遅すぎる一人暮らしデビューとなったが、今のところ精神的に安定した日々を送っている。

これまでは職場が近い為両親も元気なので、給与が少ないという事もあってお金を入れながら実家暮らしをしていた。しかし両親と生まれてからずっと同じ屋根の下で日々暮らしていると、とあるきっかけから両親の言動・行動が毒親なのではないか?と疑問を抱くようになり、実際様々なシチュエーションでストレスが溜まってしまうケースが多くなってきた。過去に営業を務めていた頃は、ストレスを抱えていても両親に打ち明けられなかった事もあり酒に頼る日々を送っていた。積もりに積もった余計なストレスから開放される為に引越を決意した。今回はこれまで両親から受けたストレスと一人暮らしを経て分かった事について書いていこうと思う。

 

両親の性格を簡潔に説明すると、

 

父親

・60代前半、管理職、新人類世代

・負けず嫌いな性格でああ言えばこう言う姑のようなタイプ。意見を押し通すタイプで仕事でもひろゆきのような論破劇を見せる事も

・そのせいか父に反論の意見を言っても無駄と思うようになった

・普段の言葉遣いに命令形を用いる事が多い

・仕事柄か完璧主義な一面も

 

母親

・50代後半、パート

・父親の意見をハイハイと言っては吸収するタイプで良く言えば素直、悪く言えば従順

・過度の心配性で自分の事や友人関係について事細かに聞いてくる

・うまくいかない時は夜中に物をぶつけて暴れる。騒音で睡眠を削がれる

・物事を試したいと言うと「お前はダメだ」「出来る訳無い」と言って端から否定してくる。皮肉を帯びた言葉を投げ掛けてくる事もある

・高校受験時には第一志望校のチョイスを端から否定した(偏差値的な意味ではない)

・どこかスピリチュアルな一面もある(新興宗教などには入っていない)

 

と、こんな感じである。両親の仲は比較的良好だが、夫婦関係に関しては父親の我儘を母親が上手く空気を読んでこれまで何とかなった感もある。ただ自分の事になると、先程書いたように過干渉気味で親に否定されながら育てられてきた事もあり、結果として自分に自信がない性格となってしまった。

自分の両親が毒親と感じるようになったのは、ここ最近の話である。

昔から自分の家庭は門限に厳しく、20代後半となっても箱入り息子のような扱いを受けていた。当時24歳のある日、友人宅に泊まる約束をしていた。アルコールもいい感じに回ってきた23時になるとLINEに一通の不在着信が届く。すぐさまメッセージも届く。「早く帰ってこい!」の一文。母親からの連絡だ。面倒ながらも直接電話をして「今日は〇〇(友人の名前)と泊まる約束をしたはず。家出る前に言っただろ」と言うと、どうやら母親が忘れていたらしくこのまま泊まる事は出来たが、会話の一部始終を聞いていた友人達からは

「お前の親、まだこの時間なのに連絡してくるのかよ」

「もう24だぞ」

「どんだけ過干渉なんだよ」

毒親なんじゃねえの」

と半ばドン引きされたような目で言われた。これが自分の家庭のルールだと説明すると「そんなルールはおかしい」「親のエゴに洗脳されてるんだよ」と反撃の嵐。これまで当たり前だと思っていた自分の家庭事情を大いに否定された。最初は自分の両親を毒親と思いたくない一心であったが、今までを振り返った内に最近は「自分は毒親の元で生まれた」と思うようになった。もちろん自分より酷い家庭環境が沢山あるのは承知の上での話だ。

思えば子供の時分から自由に遊ばせてもらえなかった。小学校の頃は学校が終われば書道とスイミングの習い事に励み、こどもちゃれんじにも入っていたので毎日強制的に勉強に励み、親の管理の元でスケジュールが構成された。友人と遊ぶ事もなかなか許されずせいぜい小学校での休み時間ぐらいで、土日すら遊べる日は少なかった。習い事は将来的に役に立った事であるので感謝しているが、親の監視で行う勉強が苦痛でたまらなかった。その結果、自分は勉強が嫌いになった。

社会人となり仕事をしている時でも、親からの干渉は止まらない。門限はもちろん、今何処にいて帰りに何時何分の電車に乗るのかを連絡しなければならない。自分はアイドルオタクなので自然と現場に行く機会も多くなってくるが、何かしら言われるのが嫌で学生時代はバイトと称して現場に通ったり、友人宅に遊びに行って気を紛らわせていた。ただそういう時には帰った時に説教を食らうのがオチだ。いつまでも親が付きまとう事にイライラしていたが、当時は一人暮らしに自信がなく家を出るにも勇気がいる行動であった(一人暮らしをしたいと言っても「出来る訳無い」と返されるのもまたオチだった)。

自分に自信がないのは自分自身の努力不足もあるかもしれないが、両親の否定的な言動から形成された所もあるかもしれない。営業を務めていた頃は担当の取引先から「ちゃそぴ君は謙虚で思いやりがあるね」と褒められた事もあったが、これは父親の我儘にただ頷き従順に従っていただけで、謙虚でも何でもない。言い換えれば「父親の機嫌を損なわないようスマートに考えた結果」という事だ。

かと言って自分に全くの非が無いという訳でもない。食事面や金銭的に支えてもらった所がある分、結局これが共依存という形で自分も両親に依存している部分があると思う。ただ今月で27歳になろうとしている。このままでは自分が自分でいられなくなってしまうという一心で引越をする決意を果たした。動機はマイナスだが現状を打破するのはこれしかないという決断だ。両親に話すと当然心配されたが、父親に「まぁ自分で一人暮らしを経験して大変さを味わったほうが良いよ」と謎の上から目線で言われはしたものの何とか引越の許可を取れた。

実家から離れて暮らしたかったので、通勤に影響が出ない範囲の場所で物件探しをする事に。気に入った物件こそ見つけたのだが、事ある毎に母が介入してはダメ出ししてくる。そんな母親に苛立ちを募らせながらようやく見つけた実家からも職場からも駅からも近い物件を格安で見つけ、母の了解のもと暮らすことになった。本当は実家近辺から離れたかったのだがあと2年の辛抱だ。

 

一人暮らしをしてからもうすぐ2週間。実家から近い事もあって色々と指摘される事もあるが、基本は自由に暮らせる為何の隔たりもなく過ごしている。家事も一通りこなし、洗濯はコインランドリーが共用部についていて乾燥機も10分100円で使えるのであとは畳むだけ。サラリーマンに嬉しいサービスだ。大変な部分もあるが、むしろ失敗を活かして次の目標に向かって1日を過ごすようになった。肉体的には疲れるが、精神的にはかなり楽になったのでプラマイゼロ。むしろプラスだ。

それでも一人暮らしの大変さは痛感したので両親には感謝している。ここまで自分を育ててきた恩は絶対に忘れてはいけない。が、何処か支配欲を感じる今の両親の姿は違和感しか湧かないので暫くは1人にさせてほしい。今の賃貸契約が終わったら親の干渉も通勤も苦にしない場所で一人暮らしを続けようかなと思う。