若葉の繁る頃に

しがないアイドルオタクの備忘録とチラシの裏書き。「なんとかなる」人生を送るのが目標です。

#17 真夜中の懺悔大会


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ここまで心が揺れ動いたのは久し振りの出来事だ。

 

推しメンである潮紗理菜さんが、7thシングル「僕なんか」の1期生楽曲『真夜中の懺悔大会』のセンターに抜擢された。

今でも嬉しさのあまりの興奮と動揺で未だに手が震えている。疲れもある。しかしこういう時こそ文字に興して率直な想いを伝えたい。そんな想いで語彙力と気力を振り絞りながらキーボードの打つ手を走らせた。

 

今日はやけに疲れた日で仕事を終えた時には椅子に寄りかかって倒れそうになる程疲労が蓄積されていた。退勤後の用事を済まし、今にも倒れそうな勢いで帰宅。時刻は19時。飯を作る余裕すらなく手洗いを済ませると風呂へも行かず一目散にベッドへダイブ。テレビを付け野球中継を見ながら無の状態を過ごす。贔屓球団は無得点。今にも寝そうなひとときであったが「なっちょセンター説」という根拠の無いオタクの予想を密かに期待していたので自然と目だけは開けられていた。

「そういえば紗理菜ちゃんから嬉しいお知らせがあるってメッセージで言ってたな…」

淡い期待を眠気覚ましにしていきながら、MV公開の瞬間を待つ。

 

20時、MV公開。

開始10秒から「へっ?」と声が出る。大好きな紗理菜ちゃんがセンターに居る。思わず目を擦り画面を眼球に焼き付ける。一気に鼓動が鳴り響いた。動画や着信で聞き慣れたイントロのあの声は確かに彼女だ。

喜びより先に動揺が先走った。いや、この場合はウシウシパニックか。

先程までの疲れは一体何処へ行ったのか。イントロ部分の「あくびなんかしないでよ」という歌詞に見透かされたかと錯覚しながら目が覚める。気付けば眼の前の彼女を追い掛ける事に夢中であった。この時点で楽曲の良さやら歌詞がどうのと言った判断など出来る訳がない。ただひたすら、彼女の動きや声や姿を疲労困憊状態の身体に鞭打ちながらフルスロットルで働かせた。

紗理菜ちゃんのソロパート部分。分かってはいたのに涙を流す。映画のクライマックスを見た訳では無い。仕事で成功を修めた訳でも無い。自分や家族、親戚に幸運が降り掛かった訳でも無い。オタクと推しメン。いわば赤の他人同士。無論手の届かない関係。それでも彼女の事が大好きであるという事実。様々な感情が爆発し、一気に目の前は海の中。蛇口が壊れた水道のように涙が溢れ氾濫状態となった。気付けば4分30秒のMVは既に終焉を迎えていた。

楽曲自体は日向坂らしいアップテンポなナンバーに仕上がっていた。テンポが良く疾走感すらも感じるこの曲は勿論ライブでも定番になりそうなものに仕上がっており、MVもまた日向坂らしいパーティー感溢れる作品となっていた。衣装も良い。

MVの意味は…正直言ってよく分からん。ただ深く考え込む必要も無い。割とどうでもいい。ただ分かったのはTIFでやると盛り上がりそうである事(TIFを基準にするな)

2回目の視聴で歌詞を確認する。『ハロウィンのカボチャが割れた』のような「浮気」や「噂の真相」などまた所々秋元特有の危ない歌詞が見られ相変わらずのチープさを感じられるのは否めないが、そんな文句を垂れるのが馬鹿馬鹿しくなる程何より今のこの瞬間を噛み締めるひとときが幸せであった。ただただ主役の推しメンが輝いたという事。それ以上でもそれ以下でもない。

 

振り返ると、ひらがなけやき時代からセンターやフロント経験の無い彼女は、何処か自信の無さがあったのではないかと邪推していた。2列目で存在感を発揮する事も、最近では『ってか』のダンスパートで激しいパフォーマンスを魅せる彼女も知っていた。しかし心の何処かでセンターやフロントを経験していない事を気にしていたかもしれない、と勝手に考える事もあった。

思えば加入当初は誹謗中傷で傷付く経験も味わった。不祥事を犯した訳でもなく只々無差別に心無い人達からの言葉のナイフに突き刺され苦しい時代を味わっていた。一度は辞退も考えていた彼女が、こうやって満面の笑顔を振り翳しながら堂々とセンターを張っている。その前にはフラガールの主役にも抜擢された。2022年。ひらがなけやき結成から6年。そして7年目。彼女の嬉しい悲鳴を画面越しに感じ取れた気がする。

彼女は生真面目で自分が前に出るよりは誰かをサポートする役回りだ。日向撮で専属カメラマンになった事も、メンタルサポーターとしてメンバーを鼓舞する姿もそうだ。縁の下の力持ちである素敵な推しメンが光り輝いた。その刹那は決して忘れられない出来事として、自分自身の人生に深く刻まれた。

 

潮紗理菜さんという素敵な女性を推しメンにして本当に良かった。これが僕の総意である。


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